自律神経失調症

初公開されたパニック症ガイドラインと発作対策

パニック発作対策
futakoshintihirose

みなさんこんにちは、自律神経専門治療院、二子新地院です。

今月のブログは、先月、2025年9月1日に日本不安症学会と日本神経精神薬理学会が合同で初公開した「パニック症の診療ガイドライン(第1版)」についてご紹介します。

パニック症の診療ガイドラインは、2018年 3月、日本不安症学会と日本神経精神薬理学会が合同で不安症、強迫症のガイドラインを作成する不安症・強迫症診療ガイドライン合同作成委員会が組織された時点から、作成が開始されていました。また、

成人(18 歳以上)のパニック症に対する標準的ケア(診療)の簡潔なガイドラ
インであることから、医師を含む医療者と患者、そして患者家族が科学的な根拠(エビデンス)を共有して診療方針を決定する「Shared Decision Making; SDM(共同意思決定)」に役立ててもらうことを目的とする。

とされています。

パニック症とは

パニック症(Panic Disorder; PD)の診断名が正式に採用されたのは、1980年、米国精神医学会による精神疾患の診断と統計のマニュアルである DSM-Ⅲ診断基準においてである。それまでは「不安神経症」の一部として分類されていた(例:発作性不安神経症)。最新の診断基準である DSM-5-TRによると、本症の基本的特徴は、予期しない反復性(2 回以上)のパニック発作(Panic Attack; PA)(後述)を経験し、さらにPAが起こるかと絶えず心配しまたは悩ませられ(予期不安)、または、PAのために自己の行動が不適応的な方向に変化する(例:PA を連想させる運動や場所の回避)ことで、このような予期不安や回避行動は発作後 1 か月以上持続する。さらに確定診断には、これらの症状が、物質(例:乱用薬物、医薬品)または他の医学的疾患(例:甲状腺機能亢進症、心肺疾患)の生理学的作用、あるいは社交不安症、限局性恐怖症、全般不安症、分離不安症、強迫症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった他の精神疾患の症状では説明されないことが必要とされる。

少し難しいですかね。簡単に言うと

  • 予期しない反復性(2 回以上)のパニック発作(PA)を経験
  • PAが起こるかと絶えず心配しまたは悩ませられる
  • またはPAのために自己の行動が不適応的な方向に変化する

ことで、このような予期不安や回避行動は発作後 1 か月以上持続するということです。確定診断には、薬の副作用や、他の疾患が除外されることです。

パニック発作(PA)とは

PAとは、突然の数分以内にピークに達する、強烈な恐怖または激しい不快感の高まりで
あり、その時間内に、以下の身体的及び/または認知的症状のうち 4 つ(またはそれ以上)
が起こることが、PA と診断するために必要とされています。

  1. 動悸、心悸亢進、または心拍数の増加
  2. 発汗
  3. 身震いまたは震え
  4. 息切れ感または息苦しさ
  5. 窒息感
  6. 胸痛または胸部の不快感
  7. 嘔気または腹部の不快感
  8. めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
  9. 寒気または熱感
  10. 異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
  11. 現実感消失(現実ではない感じ)または離人感(自分自身から離脱している)
  12. 抑制力を失うまたは“どうかなってしまう” ことに対する恐怖
  13. 死ぬことに対する恐怖

これらのうち、①~⑨の身体的症状は自律神経過活動(交感神経亢進)時に生じるものが多く、一方、⑩~⑬の認知的症状は恐怖に関するものが多い。

なお、上記13のうち3つ以下の症状だけの軽い不安発作を認めることもあるが、この発作は「症状限定性パニック発作」と言われ、正式なPAではないので、この発作だけが2回以上あったとしてもPDとは診断されない。また、PA時にその他の症状(例:耳鳴り、首の痛み、頭痛、抑制を失っての叫びまたは号泣)がみられることもごくたまにあるが、これらの症状は PA の診断基準の13ある症状(①~⑬)に入っておらず、必要な4つの症状の1つと数えるべきではない。

PAには、「予期される」、すなわち、定型的な恐怖または状況に反応するPAと、「予期さ
れない」、すなわち、明らかな理由もなく突然、青天の霹靂のように起きるPAがある。

前述したように、PDの診断には、予期しないPAが2回以上出現することが必要となる。

日本でのパニック症への治療法の有効性

成人のPDへの診療では、まず患者の主訴ととともに、症状に関連した情報を聞き、診断し、治療目標を患者と相談する。治療目標としては、前述の臨床的特徴を踏まえ、予期不安や回避などが減ることで、PAへの不安も軽減し、患者の苦痛や生活への支障が軽減されることなどが想定される。

その目標に対して有効とされている治療には、薬物療法と精神療法(心理的介入)がある。
前者はSSRIを中心とした抗うつ薬であり、後者は認知行動療法 が有効とされている。

しかしながら、どの薬物療法あるいはどの精神療法が最適であるかについては、定まっていな
い。また、双方の治療法における優位性あるいは併用療法の有効性についても結論が出ていない。

そこで今回の診療ガイドラインでは、成人PD患者に対して、薬物療法、精神療法(心理的介入)それぞれ、どの治療法が推奨されるか、さらに薬物療法と精神療法の併用が推奨されるかを検討するとしています。

体と脳に効くパニック症治療

ここからが本題です。当院では、自律神経失調症、自律神経症状の治療を専門におこなっており、不安感や睡眠障害をはじめとする自律神経症状の治療を多くおこなっています。

パニックを防ぎ、穏やかに暮らすことができる鍼灸治療

川崎市の自律神経専門治療院

例えば鍼灸治療です。鍼灸治療は、痛みに効くだけではありません。鍼灸治療の効果がある理由は、皮膚からの刺激が、鍼を刺した場所で痛みを取るだけでなく、指した刺激が、皮膚の感覚神経を伝って電気信号で脊髄や脳へと伝わります。その影響で、ツボの場所、刺激方法によって自律神経を整え、セロトニン等のホルモン分泌も促してくれます。その結果、パニックを引き起こさない体の状態に整え、穏やかに生活することができます。

鍼灸治療が怖い人のための治療法

パニック発作を防ぐマッサージ

自律神経症状を専門に取り扱っている当院では、普段より、不安感、動悸がする、眠れない、食欲がない等さまざまな症状の患者さんが来院します。患者さんの中には、鍼灸治療は怖いと思っていらっしゃる方も少なくないため、まずはリラックスするためのマッサージや、ショックウェーブ、姿勢矯正等の施術方法で、からだや自律神経を整えます。

心身ともにリラックスすることで、不安もなくなり、パニック発作も起きにくくなります。

病気ではなく、一人ひとりの患者さんを考えることで、患者さんに合わせた治療法をご提案できます。

まずは、パニックの不安から解消される体を手に入れましょう。お気軽にご相談ください。

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院長
自律神経の乱れによる不安感、眠れない、動悸がするなど様々な症状は鍼灸治療を導入した専門治療をお試しください。
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