足首の捻挫

足首の捻挫とは、骨と骨を繋ぐ関節を支える靭帯が損傷する怪我のことを言います。
足首(足関節)の捻挫はスポーツ外傷の中で最も多いと言われています。同時に、子供から大人まで、普段の生活の中で最も多い怪我の一つでもあります。足関節捻挫の大部分は、着地をした瞬間や切り返し動作などで足をついた瞬間、時には歩行時や走行時で足をついた瞬間などに、足を内側に捻って捻挫をする内反捻挫(ないはんねんざ)です。
捻挫の好発部位
足首の捻挫で一番多くみられるものは、内反捻挫で損傷しやすい前距腓靭帯です。
捻挫の好発部位
- 前距腓靭帯
- 踵腓靭帯
- 後距腓靭帯
捻挫の症状
足関節の外側を支える靭帯のうち、内反捻挫で最も捻挫する靭帯は前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)という、外くるぶしの前部分の関節を支える靭帯です。内反捻挫では、この前距腓靭帯部分に損傷が起こるため、症状は、言うまでもないかもしれませんが、外くるぶしの前部分が腫れ、痛みが生じます。また、足を下に曲げたり内側に捻ったりすると、この部分に痛みが生じます。損傷がひどい場合は足関節の外側や前部分、もしくは全体が大きく腫れてしまうことがあります。
捻挫の症状
- 痛みがある
- 腫れがある
- 熱感がある
- 動かす時に部分的にグラつく
- 時には内出血が起こる
捻挫の対処法
捻挫直後の処置としては、昔から「RICE処置」ともう一つの「S」が基本となります。
- R:REST 安静
- I:ICING 冷やす
- C:OMPRESSION 圧迫
- E:ELEVATION 挙上
- S:stabilization 支持
支持、安定を意味するSは、患部が動かないように支えてあげることです。わかりやすい例としてはねんざや骨折のときに使う添え木の役目です。
動いて痛みが、炎症が広がらない等にしてあげることです。
靭帯損傷には末梢血管の損傷も伴うことから、受傷直後にまず受傷した靭帯組織付近の止血を最優先します。
近年では、炎症反応の浮腫の中に修復を促す幹細胞が含まれることからアイシングは除外されることも多いです。
治療としては、痛み止めとなる消炎鎮痛剤の注射、湿布など、物理療法として低周波療法、超音波療法などがあります。
捻挫の治療
足関節捻挫治療は、怪我をして痛みが出始めた急性期、その後の慢性期によって多少異なります。
鍼 灸

一般的な治療法と違い、鍼灸治療では、痛みの原因となる部分や、関連した組織に対して症状と病期にあわせて治療をおこなうことで、痛みに有効、かつ早期に運動可能とになります。
捻挫で起こる炎症、腫れの成分には損傷した組織の再生に必要な幹細胞も含まれているため、湿布や痛み止めで無理矢理炎症を引かせるとかえって治りは遅くなってしまいます。鍼灸治療をすることで、鍼刺激によって自然に炎症は鎮まり、鎮痛作用のある成分も自分の体から生成してくれるようになります。早くよく効く治療が鍼灸です。
Shockwave
ショックウェーブは、日本語で衝撃波を意味します。衝撃波は、生体に照射することで様々な治療効果があることがドイツの研究で発見されました。現在では外科的手術をすることなく腎臓結石を体外から粉砕する技術に応用されています。当院では、衝撃波の中でもラジアル・ショックウェーブ(Radial Shockwave)という安全性の高い低出力衝撃波を使って、急性期を過ぎた靭帯や、筋・筋膜、腱の治療をおこなうことで、早期回復を促します。