ぎっくり腰

ぎっくり腰は、医学的には、急性腰痛や腰椎捻挫といわれていますが、重いものを一気に持ち上げようとしたとき、腰をひねったときに何の前触れもなく急に痛みがでてしまうだけでなく、ちょっと手を伸ばしただけでも発症し、一生のうちに何度も、人によっては1年に数回再発してしまうことがあります。
また、ぎっくり腰の中には慢性的な腰痛やヘルニア、腰椎椎間関節症、腰部脊柱管狭窄症など他の疾患が起こっていることがもともとあり、その症状に上乗せしてぎっくり腰をおこし、回復するのに時間がかかってしまうこともあります。何度もこの痛みを経験されている方は、症状があらわれたときの治療だけでなく、普段から予防として治療や生活習慣の改善が必要です。
ぎっくり腰の損傷部位
ぎっくり腰が起こった時に損傷する場所として、主に以下の3箇所があります。
仙腸関節の損傷
仙腸関節とは、骨盤にあります。腰というよりお尻の上あたり、尾てい骨の上の方で、お尻の内側の付け根、背骨の下といったほうがわかりやすいでしょうか。この部分をひねったために、痛みがでるといわれています。また、仙腸関節を損傷してしまうと、骨盤の上にある背筋まで緊張してしまい、痛みが出たり、太ももの後ろや、ふくらはぎにも連動して痛みやしびれが伴ってしまうこともあります。
腰椎の損傷
腰椎の損傷の場合は、骨盤の上にある背骨の腰椎部分、つまり腰の中心部に痛みがでるといわれています。こちらの損傷だと、背骨沿いの脊柱起立筋だけでなく、インナーマッスルと呼ばれる深い部分にある回旋筋など背筋が緊張してしまい痛みが出現したり、下肢に、神経根が圧迫されて根性痛というものを起こす痛みと、上記で述べた関連痛を起こす痛みの二通りがあるといわれています。
筋や筋膜の損傷
背筋や筋膜は傷害された場合、その部分の痛みを感じることになりますが、腰椎や仙腸関節に問題がないと、筋肉や筋膜を損傷していることはあまりないといわれています。ただ、人間は教科書通りに病気が現れることはあまりないので、筋肉だけの痛みとしてあらわれることもあります。
ぎっくり腰の治療
ぎっくり腰は、1~2週間安静にしていれば痛みは引きます。
しかし、急性期を過ぎると、今度は血行障害が起こり、筋肉も硬く冷たくなってしまうため、動かすと痛い、もとのようには柔軟に動かなくなり、更に大きなぎっくり腰を引き起こしてしまうことがあります。
そのため、まずはぎっくり腰を起こした日に炎症を散らす鍼灸治療、その後は病期と症状に合わせて適切な治療が必要です。
鍼 灸

慢性的な腰痛をお持ちの人ほど、治療は「鍼灸」が効果的です。
鍼灸治療は、凝りを感じる、または凝りの原因となる部分に対して局所的な鎮痛効果、筋緊張の緩和だけでなく、脳では「脳内モルヒネ」とも呼ばれる「βエンドルフィン」を放出させ、中枢的な鎮痛効果をもたらしてくれます。
また、鍼治療は、凝りや痛みだけでなく、自律神経を整える、ホルモンバランスを整える、筋緊張を緩和させることで、姿勢矯正しやすくなるなどの効果も狙っておこなうことができます。
治療に使用する鍼は、世界一安全で、精密な日本製の鍼を使用し、その直径は髪の毛とほぼ同じ約0.1mmです。その鍼を臨床経験豊富な鍼灸師が、痛みを感じないほどの操作で施術します。
Shockwave

ショックウェーブは、日本語で衝撃波を意味します。衝撃波は、生体に照射することで様々な治療効果があることがドイツの研究で発見されました。現在では外科的手術をすることなく腎臓結石を体外から粉砕する技術に応用されています。当院では、衝撃波の中でもラジアル・ショックウェーブ(Radial Shockwave)という安全性の高い低出力衝撃波を使って、ぎっくり腰の受傷部位である筋・筋膜、腱の治療をおこないます。
姿勢矯正

ぎっくり腰が起こる原因は、冷えや疲労ですが、基本的に姿勢を含めた普段の生活スタイルにあります。姿勢の悪さからぎっくり腰を起こしやすい環境が整ってしまうので、姿勢を正すことで再発防止とともに動きやすさの改善につながります。